ニクガタナ

めしのニクガタナのレビュー・感想・評価

めし(1951年製作の映画)
3.6
恥ずかしながら成瀬巳喜男作品は初。ささやかなドラマで描く当時の女性の幸福論的まとめ。表情にクローズアップして心の機微を見せる、教科書みたいな編集。代わり映えのない日常を描くのに、朝の風景を全く同じに描くのが面白かった。主人公を演じた原節子が綺麗。所帯やつれした妻って感は薄く、大変美しく撮れている。現代的で奔放な夫の姪を演じた島崎雪子も可愛いらしい。あんなのにベタベタ懐かれてんの見たら奥さん嫉妬するわなぁ。DV夫に虐げられる妻みたいな話に慣れすぎて、上原謙演じる、妻に無関心な旦那がそんなに悪く思えないのは毒されてるなぁと思う。しかし昔の近所付き合い、親戚付き合いってのは濃厚だったんですなぁ。杉村春子と小林桂樹の芝居は古さを感じず上手いなぁ。脈絡なく主人公口調でこの間知った豆知識を披露しますわね。この映画は東宝制作ですけど、東宝ってどうして東宝っていうかご存知?東京宝塚が略されて東宝なんですって。私ちっとも知らなかったんです。
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