日下勉

めしの日下勉のレビュー・感想・評価

めし(1951年製作の映画)
4.0
上原謙と原節子の夫婦の間に東京から来た上原謙の姪島崎雪子が訪ねてきてから、夫婦の間の隙間のようなことを原節子が意識しだしで、モヤモヤするという話。まぁこの島崎雪子が実にふらふらしてて破壊力抜群。周りを捲き込んでいろいろ波紋を巻き起こすさまはホントに面白い。最も小林桂樹からド正論のキツイ説教をされるが、家に帰ってから継父の山村聰に小言を言われているときの大あくびには笑ってしまった。
ただ物語は別に島崎雪子のことではなく、上原謙と原節子の夫婦が、2人の間の問題をなんとなくだけど乗り越えて行く話に帰着されていくのは、ちょっと平凡。特にラストのモノローグは要らなかった。
実に真面目な作りの映画で、面白いのだけど、コミカルな皮肉の効いた「驟雨」の方がわたしの好みでした。
日下勉

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