このレビューはネタバレを含みます
中年の女流作家サラは、小説は売れているのに満たされない日々が続いていた。編集長(愛人)にもあんまりかまってもらえない。
そんな時、この編集長から南仏の別荘で過ごしてみないかと提案される。サラは一人で別荘生活を満喫するが、そこに編集長の娘だという若く美しい娘、ジュリーが現れる。奔放な娘ジュリーにサラは嫌悪感を覚えるが。。。。
と、普通なストーリー展開から、だんだんとサラとジュリーがお互いを理解し始め、やがて殺人事件が起こり。。。と思いきや何か変な流れ。そして最後のドンデン返しでやっとこの映画が普通じゃないことが分かる。
(以下ネタバレ)
殺人が起こってから、サラはその殺人の手がかりを探し、その後のシーンではその時の殺人の共犯(死体を隠す)になっている。つまりこのシーンは作家サラの空想上での出来事なのだと思う。
そして最後で、娘ジュリーは全くの別人として現れる。奔放な娘ジュリーもサラの空想の人物だったのだ。
サラは本物のジュリーと会っていたのか、殺人は本当にあったのか、それは分からない。ただ、サラはジュリーの母の作品らしき本を出しているので、あながち全部が空想という分けではないのだろう。
ジュリーはサラのもう一つの人格のようなものだったのだと思う。難解で分かりにくいが、改めて見てみると、最後にジュリーが編集長に違う会社から出した自分の新しい本をつきつけるシーンで不思議な爽快感を感じる。
この映画は、一人の女性が自分を内省し、新しい一歩を踏み出すまでの話だったのではないかと思う。
ジュリー役の子がいいねぇ。決してそんな美人じゃない。でも何か惹きつけられる魅力を持ってる。
南仏の景色、雰囲気とジェリーの若い肉体がただただ美しい、幻想的な画とストーリーの映画。