BUSSAN

スイミング・プールのBUSSANのレビュー・感想・評価

スイミング・プール(2003年製作の映画)
4.0
南仏の別荘で過ごしたひと夏の淡い思い出

評価が分かれてますが、僕は結構好きな部類でした。南仏の長閑な風景や、陽光を浴びて煌びやかに光る水面が印象的なスイミングプールなどの美しい映像とは裏腹に、別荘という共有空間を充満する殺伐とした空気。居心地が良いのか悪いのか、何とも表現し難い気持ちになります。その構造と同じくして二人の女の子も対象的に描かれている。老いを感じる主人公の作家と、若さ弾ける肉体を持つ少女。静かで暴力的な対比構造は見ていて危なっかしい。

性的描写が苦手でなければ割と楽しめるサスペンスだなと思います。ぎくしゃくした関係の二人の女には決して巻き込まれたくないけども、傍観してる分には中々興味深いもんです。上述した通り居心地が絶妙なんですけども(笑)

カメラワークと音楽も良かったです。音楽が無い所も穏やかな南仏の雰囲気の魅力を助長しててええです。



以下、ネタバレありの僕の解釈



↓↓↓




















帰国後の出版社でジュリアとすれ違う際に、お互い他人の様な素振りをしている点や、ラストのサラの眼差しを見る限り、ジュリーはサラによる妄想の産物やと勝手に結論付けてましたが、後になって監督がオチについてハッキリ名言してないと知りました。どの解釈も正解であり、不正解でもあるとのことですが、僕は単純にジュリーが完全に妄想である方が、面白いと思うからそう結論付けました。

だって、あの夏のジュリーとの出来事が全て妄想で、実際は一人で静かな別荘でサラが淡々と妄想しながら執筆活動してる方が不気味やないですか?
BUSSAN

BUSSAN