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スター80の一のレビュー・感想・評価

スター80(1983年製作の映画)
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ヴィレッジ・ヴォイス誌に載った“The Death of Playmate”という記事を基にドロシー・ストラットン殺害事件を描いた実録モノ。ポール・スナイダーを演じたエリック・ロバーツがとにかく素晴らしくてホントに気が滅入ってくる。内診台の上でショットガン構えてつぶやく“You won't forget Paul Snider”がおぞましいやら哀しいやらでただただドンヨリ。イヤな気持ちにしかならない傑作。そして、ドロシーと不倫関係になる映画監督アランことピーター・ボグダノヴィッチは、ドロシーの死から8年後に彼女の妹ルイーズと結婚する(二人が最初に出会ったときルイーズは11歳でボグダノヴィッチは40代前半だった。ルイーズは姉のドロシーに似せて整形手術をした。01年に離婚。)という後日談もまたゲスいけどおもしろい。『ラスト・ショー』(名作!)のときにはヒロイン役だったシビル・シェパードとデキちゃって当時の妻と離婚してるし、ボグダノヴィッチは若い女好きなんだなーとは思ったが、Vultureに載っている2019年のインタビューではルイーズと彼女の母親と一緒に暮らしていると語っていた(ルイーズはボグダノヴィッチの2014年作『マイ・ファニー・レディ』の脚本にクレジットされている)。彼も彼でペドフィリアだとかルイーズの母親とも関係があったんじゃないかとかポール・スナイダー以上に散々な言われようをしてきたみたいだが、インタビューで未だにボブ・フォッシーdisってたり事件や結婚のことまであけすけに語ったりしているボグダノヴィッチおじいちゃん、それはそれでまあいいか…という気持ちになる。
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