はぐれ

L・B・ジョーンズの解放のはぐれのレビュー・感想・評価

L・B・ジョーンズの解放(1969年製作の映画)
3.3
巨匠ワイラーの遺作。
半世紀も前に作られた黒人差別を扱った作品。構図は悪徳白人警官vs妻を寝取られた黒人葬儀屋。

ワイラーの演出はどこか達観している。虐げられる黒人達に寄り添うというよりも俯瞰からその事象をただ見守っているという感じ。怒りよりも諦めの感が強い。いや、最近のBLM関連作を見ていてもっと怒りに満ちた刺激の強いものを摂取しているから感覚が麻痺しているだけなのかも?

離婚調停を引き受けるレイシストの弁護士役のリー・J・コップ。あの名作『12人の怒れる男』で最後まで黒人少年の有罪を訴え続けた陪審員役があまりにも有名。その彼が最後まで差別意識を捨てきれないのか?それとも改心して良識に目覚めるのか?ラストの決断があまりにも切ない…
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