やっぱりフィルムだよなあ…。
栄光と挫折、転落からの再生をアメリカのポルノ業界を舞台に描いた本作は見事にハマりました。
オリジナルの脚本で70年代から80年代をあらゆるキャラクターを出して展開させる演出には遊び心も入れつつアップテンポに描いてスゴい！特に一人一人のキャラクターが善人とも悪人ともつかない、嫌なヤツとも言えない複雑な面を持たせているので誰にも少しずつ共感してしまいました。それを演じる役者さんのリアルなこと！ちょっとした仕草や怒りが爆発する時、崩れた時に見せる、どうしようもないやるせなさを台詞ではなく表情等で演じているので観ているこちらもつい共鳴してしまいました。
そして撮影もスゴい！移動しながらのワンカットがあちこちにあり、一気に私達をその世界に引き込ませてくれます。しかも、どうなるんだろう？と緊張感を持続させる作りにしているので目が離せませんでした。中盤のディスコのシーンの曲等、音楽の使い方も上手。
ジュリアン・ムーアさんは本当に幅広いなぁ。一級のヒューマンドラマからドエンタメまで何でもこなしちゃうんだなあ。でも一番共感して心の中で密かに応援したのはドン・チードルさんだったりして。
