イチロヲ

淫絶夫人 快楽の奥のイチロヲのレビュー・感想・評価

淫絶夫人 快楽の奥(1976年製作の映画)
4.0
非道な夫(浜口竜哉)に対する殺人罪により収監された女性(珠瑠美)が、性的抑圧を抱え込んだ状態で、およそ7年ぶりに出所する。愛のないセックスしか知らずに禁欲生活を送っていた女性の、刹那的な生き様を描いている、日活ロマンポルノ。

現在と過去をフラッシュバック&フォワードさせていくスタイル。途中から現在のドラマに完全シフトするけれど、様々な人物が主人公に絡んでくるので、一定のテンションを保つことができる。

主人公は、非人道的行為に手を染めてしまう人間の心の隙間を読み取り、癒やしを与えることができる存在になる。個人的には、中盤に登場する殺人犯の青年(風戸佑介)との逃避行のドラマでも良かったと思う。

後半部に入ると、主人公によるリベンジ劇へと突入。キーパーソンとなる高利貸の男(坂本長利)が、性倒錯者のキャラ付けになっているところが面白い。また、黒人に抱かれるシーンは、洋ピン「ディープスロート」を擬似的に再現しているように思える。
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