湯っ子

泳ぐひとの湯っ子のレビュー・感想・評価

泳ぐひと(1968年製作の映画)
3.8
変な夢みたいな映画だったなぁ…

陽光さんさんと振り仰ぐプールサイドに海パンいっちょであらわれ、不可解なことを一点の曇りもなく宣言する主人公。「友達の家のプールをハシゴして泳いで渡り、自宅へ帰る!」…意味わからんし。
これを観る時には予備知識がない方が良いと思うので、これ以上は書きたいけど書きません。
原作小説があるので、読んでみたい気もする…

それにしても、ここのところ観た変な夢みたいな映画には、みんなプールが出てくる。
「スイミング・プール」然り、「アンダー・ザ・シルバーレイク」然り。「陽炎座」ではプールじゃないけど、水を張った樽の中に大楠道代が沈んでいたし。
水の中は、それだけで人間にとって異界だからかしらん?そう考えると、プールに限らず、水辺で起こる物語って、異界のとなりみたいな世界を描いてるものが多い気がする。
キム・ギドク作品は数本しか観ていないが、彼が水辺を舞台にすることが多いのもそのせいかな。私が観た「弓」「春夏秋冬そして春」もそうだし、U-NEXTのリストに入ったままの「魚と寝る女」もそうらしい。ギドクじゃないけど、「ふたりの人魚」のヒロインが住んでいるのもボートハウスだった。
映画をいろいろ観ていくと、一見、何の繋がりもないような作品がこうして繋がっていくのが面白いな。

ちなみにこの「泳ぐ人」、私は最後まで狐につままれたような気分で観ていた。ただただ不気味で、これは何なのだろうと思いながら。
観終わってから、町山智浩の解説をYouTubeで聞いて、なるほど…!とやっと思えました。
こういうの、キライじゃないです。
湯っ子

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