青二歳

大番の青二歳のレビュー・感想・評価

大番(1957年製作の映画)
4.4
伝説の相場師ギューちゃんの一代記青春編。とても面白い!DVD_Box化希望!相場師は江戸時代の堂島(世界史上初の証券相場?)からですかね…今でいう個人投資家(でも絶対今とは違う…)の波乱万丈の半生を描く四部作。すぐ次作を観たくなるこの加東大介演じるギューちゃんというキャラクター。そして尽くす淡島千景の意地と張り。仲代達矢の善良さとインテリ風な繊細さ。さらに東野英治郎の乞食紳士!たまらん。
加東大介がパンッパンに太ってて心配になるレベルだが…何故だ可愛い。だめんず(劇中のだめんず)にはうるさい自分ですが…まさかの加東大介がややアリだと…?ただこのシリーズ通して…淡島千景に感情移入し過ぎたためツラくてボロ泣きです。淡島千景が…こんないい女なのに…"男の貞操"とやらでどう尽くしても1番になれないという。どういうこっちゃ(ノω・、)
あとシリーズ通して楽しみなのがチャップリンさん。落ちぶれた老投資家の東野英治郎は…なんだろうこれ仙人なの。なんて可愛いの。

舞台は昭和2年の兜町、証券相場。証券口座を作ったくせにまだひと株も買ってないくらい金融商品というものにピンとこない自分ですが…ここがま〜楽しい。見直した時楽しむために株買ってみようかなぁ。
兜町のシーンは何が感動するってロケ&セット&小道具がよい。昭和2年に始まる物語。57年製作なのに画面から立ち込める昭和一桁の空気。空襲から残ったものフル活用という感じに、再現セット&小道具が素晴らしい。もう当時の兜町にいるかのようです。
さらにギューちゃんのふるさと宇和島も兜町に負けず素晴らしい舞台。青年会に見る夜這い文化やお国言葉、ミカンじゃない段々畑。海のまぶしさもモノクロなのに輝かしいこと。
田舎の登場人物もとてもかわいくて、なんといっても多々良純と三木のり平。三木のり平なんて相撲しちゃう。細っこいのに意外と筋肉モリモリ。
ホーホー(・」o・)」

しかし歌舞伎座の倍速はなんなんだろう…いいけどさ。
青二歳

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