このレビューはネタバレを含みます
アンソニー・パーキンスはもうそこにいるだけでノーマン・ベイツなので、最初から最後まで怖い気持ちになる。
普通にそこにいるだけで、恐ろしいものの前に立っているような。
彼が「あの」ノーマン・ベイツだということを観ている側は承知のうえで鑑賞しているわけで、そこに「人はそう簡単に変わるのか」というテーマが乗っかってきて、たぶんみんなうすうすと「あの狂気がゼロになるわけない」と思っている。
その心理を見事に突いたアンソニー・パーキンスの絶妙な演技。
視線の持って行き方とか表情管理とか、挙動不審な動きがうますぎる。
バスルームでのメアリーは完全に前作のマリオンと同じ構図で、いろんな意味でドキドキしてしまった。
トイレから血まみれタオルが出てくるシーンも、トイレ=前作のマリオンのイメージが強いんじゃないかな。
前作では(紙を)流すだったけど、今回は(汚れたタオルが)出てくる=前作の精神状態に戻るみたいな?
勝手な想像ですけれども。
ライラがモーテルのほうから家に歩いていくときのカメラワークも、前作を彷彿とさせて良かったです。