林檎の映画日記

八日目の蝉の林檎の映画日記のネタバレレビュー・内容・結末

八日目の蝉(2011年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

どうしても今観なきゃいけない映画だと思った。
重たい映画だけど、今なんだと思った。
人のたくましさだったり強さだったり、
反対に弱さや汚さを描いていて、
不倫だ誘拐だエンジェルホームだとかは
正直きちんと理解するのは難しいけど
歪でも受け取る側が幸せなら
それは紛れもなく愛情なんじゃないかと思う。
世間体とか関係なく、どんな形でも。

子供側は大人の都合に巻き込まれて、
本当の親が誰なのかも分からなくて、
誘拐犯を親だと信じてしまっていても、
大切にされていた、心が安全でいられる場所が子供にとっての家族なんじゃないか。
愛を込めて育ててくれた人は自分を誘拐した人で、親元に帰っても関係がギクシャクして、どんなに残酷なことかと思う。

産んだ親にとっては、心が潰れる様なことなんだと思う。自分が産んだ子を意思と関係なくある日突然取り上げられたら、生き死にも分からなかったら、帰ってきた子が自分を親だと分からなくなっていたら、どれほど辛いことか。

愛する人との子どもを堕胎させられて
その男性と妻の子どもを攫ったことは間違いなんだけど、そうしたくなる気持ちが分かってしまう人は意外といるんじゃないか。
本当は自分と恋人の子を産みたかった。
叶わなくて、せめて愛した人の子をって
思う事は仕方のない事だろう。

色んな視点から考えさせられる映画だけど
心がぎゅーってなるけど
観てよかったと思う。
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