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暗殺者の家のkojikojiのレビュー・感想・評価

暗殺者の家(1934年製作の映画)
3.5
1934年 イギリス作品 モノクロ
ヒッチコック17/53

イギリス時代のヒット作。
この映画が後に「知りすぎていた男」へリメイクされるが、ストーリーはだいぶ変更されている。
この映画では、主人公ボブ役のレスリー・バンクスより圧倒的に暗殺者の首領アボット 役ピーター・ローレが個性的で、一番目立っている。完全に主役を食った感じだ。
因みにFilmarksジャケ写の真ん中に写っているのが彼だ。太々しい面構えが印象的。

娘ベティと一緒にスイスに遊びに来たボブ(レスリー・バンクス)とジル(エドナ・ベスト)のローレンス夫妻はルイという男と親しくなる。一緒に舞踏会に参加するが、そこでルイが何者かに射たれる。ルイはボブに英国領事に届けてほしいものがあると言い残して息絶える。ルイの部屋を探すと、国際的暗殺組織の陰謀について書かれたメモを発見。しかし敵は娘ベティを誘拐し、知っていることを誰にも話すなと脅迫する。

子供を誘拐し、口封じをするのは「知りすぎていた男」と同じだ。

暗殺者の家を取り囲んだ警官との銃撃戦がすごい。
少々びっくりするぐらいの銃撃戦がラストは繰り広げられる。
ヒッチコックらしからぬシーンだ。
もちろんこの映画の見せ場だろう。

後にヒッチコックが語るところによると、この銃撃戦は実話を参考にしているとのこと。
銃撃戦の指揮をとっていたのがチャーチルというから面白い。
後一つ、この当時、イギリス警官は武装化していなかったため立てこもっている暗殺者との銃撃戦は軍隊を派遣して対応したらしい。
したがって、映画といえども警察官にピストルを持たせるのをだいぶ反対されたらしい。
その反対をしたのが何を隠そうチャーチルだったとのこと。面白いエピソードだ。

ヒットするだけであって結構面白い映画だった。

2023.04.01視聴140
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