津軽系こけし

キートンの探偵学入門/忍術キートンの津軽系こけしのレビュー・感想・評価

4.6
憧れが教えてくれた


【キートンで泣くとは思わなかった】

⬛️見よう見まねを繰り返して不器用に生きるキートンの姿が自分と重なるようでした。ホームズを愛して、映画を愛して、幻想に恋をする。救われない現実の中で幻想を愛し続けたからこそ訪れた銀幕からの贈り物。小さな枠から覗くキートンの姿と、映写されるロマンスを交差させるカットが本当に素晴らしい。

……その不器用さがすごく愛らしくて、
……そして、我々を優しく包むようで

涙がボワって溢れてきました。ただ笑うために見始めたはずが、終わった頃には号泣の乱れ咲きです。

【まとめ】

🕵️‍♂️まさかキートンで泣くとは思わなかった……としか言えない。

相変わらずの炸裂節と列車上を駆けるキートンイズムも痛快。ふとした緊張で観客の神経を揺さぶるのも上手いです。他のキートン作品に比べればロマン色が強い印象ですが、それを差し置いてもコメディは遅れを取っていない。
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