Keigo

キートンの探偵学入門/忍術キートンのKeigoのレビュー・感想・評価

4.5
バスター・キートン三作品目!
『大列車追跡』が奇跡の一作のようなものかと思っていたら、なんと甲乙つけ難い出来栄えの作品が他にも…!恐るべしバスター・キートン。

『大列車追跡』が汽車にまつわるほとんどワンシチュエーションを突き詰めた極上のアクションコメディになっていたのに対して、『探偵学入門』はアプローチが多角的。お家芸のダイナミックで上質なアクションもさることながら、シンプルにビリヤードの球筋で魅せたり(1001映画本によれば、あのシーンのためにキートンは4ヶ月トリックショットの練習に励んだらしい…!)、文字通り映画の中に入っていくという入れ子になったメタ的な構造があったりと、キートンの映画表現への飽くなき探求心が伺える。

これはどの世界でも共通することだと思うけど、何の変哲もないシンプルな技術でも十分に人を黙らせられるのが本物のプロだと思う。バナナの皮で転ぶ。ただそれだけで、あれだけ魅せる。
Keigo

Keigo