観た。
サイレントでこんなに面白くできるのか。
キートンの運動神経とまだ未発展の映像技術をアイデアと工夫とある種根気強く撮影する事で、ここまでの映画表現になるんだろうな。
掃除中に1ドル札を次々に渡さなきゃいけなくなる件は誠実さというか、チャップリンなら渡さない悪知恵働かせそうだけど。この辺りの比較とかも楽しめそう。
1を4に書き換えてしまう事で、事件解決に失敗してしまう探偵さん。
映写技術に戻ってからの劇中劇は、本当にお見事!としか言えない。
合成技術なんて無い頃に自然にスクリーンの中へ入っていき、背景がころころ変わる。それを編集の妙でうまくつないでいく。都度のキートンのお芝居も面白い。
ホームズJr.のお話も良い。
悪者の企みを巧みにかわしていく見せ方とか。上手すぎるビリヤードとか。
本当にアイデアとそのアイデアを実現させる能力が凄い。
変装グッズを窓に忍ばせ、窓ガラスを突き破る瞬間にお婆さんになるシーン。その際に途中から部屋の壁を取り払い、中の様子を見せる演出とか唸る。
屋上からバーを伝って車に乗り込むとか、バイクのハンドルに座ったらまま、運転者がいないのに気づかずに失速するシーンとか、ジャッキー・チェンが影響受けまくってるんだな。
最後に悪者をドロップキックする流れとか素晴らしい。
最後は元の試写室で恋人にご確認だった事を謝られ、そこからはスクリーンにならって手に、口にキスをする。
スクリーン内では一気に子供が2人も生まれて、流石にいきなりは無理かぁと苦笑いのキートン。
最後までとてもチャーミング。
バスター・キートン、監督