マヒロ

キートンの探偵学入門/忍術キートンのマヒロのレビュー・感想・評価

4.0
映写技師をしながら探偵になるべく勉強中の男・キートンが、とあるヘマをやらかしてしまい意気消沈しながら仕事をしているうちにうっかり寝てしまい、夢の中で映画の世界に入り込んでしまう、というお話。

手段はどうあれ映画の世界に入ってしまうという話はいくつもあるけど、キートンも撮っていたとは驚き!
最初に映画に入り込んだ時、めまぐるしく変わってしまう場面に翻弄されるシーンがもう面白い。椅子に座ろうとしたらシーンが切り替わって椅子が無くなりずっこけたり、水に飛び込もうとしたら砂漠に切り替わり砂に頭から突き刺さったり、画面が全く違うものになった時そこにいる人がそのままだったらどうなるか、というアイデアがもうすごいよね。

しばらくすると、馴染んだのか受け入れられたのかよく分からないが、いよいよ探偵映画の主演になる。現実世界ではやらかしてばかりのキートンが、夢の中では敏腕探偵というところが色んな意味で泣けてくるんだなぁ。敏腕といってもいつものキートン節で、基本すっとぼけているが決めるところは決めてくれるあたりがニクい。
アクションもすごくて、屋根から車の後部座席に飛び降りたり運転手のいないバイクに座って延々と走り続けたりと、一歩間違えたら死ぬだろというシーンも多くて、やはりジャッキー・チェンがお手本にしただけはあるなと思った。というか実際に首の骨を折っていたらしいけど。

オチがまた良くて、キートンという人は映画は夢を叶えることの出来る媒体になり得るものなんだと信じている人なんだ、ということを感じさせられる素敵な終わり方で、すごいグッときた。そんなアツイこと言いながら、やっぱり無表情なのがグッド。

(2015.124)
マヒロ

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