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ダンス・ウィズ・ウルブズのkuuのレビュー・感想・評価

ダンス・ウィズ・ウルブズ(1990年製作の映画)
4.0
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』
原題Dances with Wolves.
製作年1990年。上映時間181分。

自身もチェロキーネイティブアメリカンの血を引くケビン・コスナーが主演・製作を務めて初メガホンをとり、南北戦争時代のアメリカを舞台に、先住民と交流を深めていく軍人の数奇な運命を壮大なスケールで描いた米国西部劇映画。

1862年秋、激戦が続く南北戦争。
北軍の中尉であったジョン・ダンバーは武勲を立て英雄となる。
彼の心はたび重なる戦禍のために疲弊してお り、報奨として自由に勤務地を選ぶことが許されたことを機に、サウスダコタ州へと赴任する。
自給自足の 生活にも慣れた頃、スー族が家財を盗みに来たため、 ダンバーは銃で威嚇して追い払った。
スー族はみずか らの集落で不思議な生活をしている白人を目の当たり にして、部族の将来のためにもダンバーと接触を試み ることに決める。
やがてダンバーはこの地に暮らすスー族と交流を深め、彼らから“狼と踊る男”という名前を授けられる。。。

南北戦争を背景に、北軍の中尉とスー族と呼ばれる先住民族とのあいだで交わされる魂の交流を描いた大作すっ。

本作品じゃないけど、越南(ベトナム)戦争や公民権運動は、米国の自国の過去を改めて内省する機会を与えた。
ネイティブアメリカンにまつわる歴史的事実の歪曲。
それてのは西部開拓神話の普遍化を前提としていたし、
今作品は。そうして議論された問題の一つやと思います。
勇壮なヒーローの如き開拓者が野蛮な先住民を駆逐するちゅう旧来的な西部劇の対立構図にも疑問の声が上がり、ネイティブアメリカンの社会で育った白人男性の数奇な運命を描く
映画『小さな巨人』 、
米軍による先住民族の無差別虐殺を描いた『ソル ジャー・ブルー』みたいな作品がつくられた。

本作品の原作小説が刊行されたのは1988年に刊行されたそうですが、当時多くの監督やプロデューサーが映画化権をほしがったそうです。
ほんで、最終的にその権利を手にしたのは、映画『アンタッチャブル』のブライアン・デ・パルマ監督などで、
当時、一躍スター俳優の座へ上りつめたコスナーやった。
監督デビュー作となる本作じゃ、彼は、独自の文化と言語を有する先住民族の社会をできる限りリアルに近い形で描くことに苦心した。
象徴的なのは、作中、交わされる言語の半分以上がスー族の使うラコタ語で、そのラコタ語に対して英語の字幕が付与されていたことにあるんちゃうかな。
終盤、先住民族の一掃をもくろむ合衆国側は、ダンバーを反逆者として処刑を宣告する。
いまや『オオカミと踊る男』ちゅうラコタ語の名を持つダンバーは、騎兵隊の尋問に対して英語を拒否しラコタ語を貫きとおす。
頑固一徹がときに渋く感じるんはこないなときやなぁ。
90年代米国映画の良心とも云わしめたコスナーの真摯さが、めちゃ伝わる作品でしたよ。
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