LEGION

天国への郵便配達人のLEGIONのレビュー・感想・評価

天国への郵便配達人(2009年製作の映画)
2.0
天国にいる死んだ人へ手紙を届ける“天国への郵便配達人”と仕事を手伝う事になった女性の物語。カメラワークの不自然さが目立つ作品になっていた。意味もなく引きで映されていたり、ぶれていたりとぶれながらいろんな角度から一点を映していく多くのカットが何の効果も与えてないように感じるし、心を通わせる場面ではぶれてることで焦点が合わせづらく集中をそのぶれた動きに持っていかれてしまい登場人物たちの心情に感動を覚えられなかった。登場人物が移動など物理的に動いている場面でぶれていたり、心理的な動揺をする場面でぶれていたりするのは良かった。カメラワークの技法を使い分けた方がより楽しめる作品になっていたと思う。主人公の男性の方はカッコいいし、女性の方は可愛いのだが、どちらも演技が白々しく感じてしまった。熱がないように思えないないわけではないがとても浅く感じてしまい物語全体としてのクオリティにかなり影響を与えていた。主人公二人が恋仲になることは構わないが、もう少し段階を見せてほしかった。展開は【郵便を届ける仕事を一緒に→故人と生人を繋ぐ手助けをする→互いに好きになる】だが、道理が説明されないため多くの箇所を端折っているように感じた。そのせいあまり物語に入り込めなかったが、テンポはよく感じられた。
人は何かを残したまま死んでいく。やり残したことが後悔につながってしまう。だからこそ想いや行動は思い付いた瞬間に起こさなければならない。そのような生と死について扱っている題材なのに重さや意図的な軽さすら感じられなかった。ただ生人にとって故人に対する後悔はあるままでいいのか、無くすべきなのかは考えさせられた。
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