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プリンセスと魔法のキスのjdのレビュー・感想・評価

プリンセスと魔法のキス(2009年製作の映画)
4.8
ジャズテイストの音楽が大好きで、手描きアニメもすごく好きです。

「ステラーーーー」とビッグダディが叫ぶシーンは『欲望という名の電車』のオマージュ。爆笑しました。

ですがそれ以上にアニメの中に隠されたメッセージに感動します。

ディズニー初の黒人プリンセスであるものの、ティアナ周辺では直接的に差別が描かれることはもちろんありません。とはいえ、ディズニー映画として最大限の配慮をしつつ差別を描写していることに僕はスゴさを感じてしまいました。

例えば、物件の場面。

お金を貯めることができたティアナは白人の経営する不動産会社で物件を購入しようとします。

きっと不動産会社は「お金を貯めることができたら売る」と言ったのだと思いますが、「明後日までに全額支払えないなら、別の人に売る」と告げます。そもそも「ティアナに売る気はない」と同じ意味にも感じます。

ここでティアナは乗り越えられない壁に直面します。

僕はなぜティアナがカエルにキスをするのだろう、と疑問に思っていました。というのはティアナの性格と矛盾するからです。

物件を購入できないことを知った直後、カエルになったナヴィーン王子と出会いキスをします。

「不動産屋とのやり取りに絶望した」ため自暴自棄になっていたのではないかな、と。

ティアナ自身が人生に迷ってしまったからこそ、ナヴィーン王子と人生の意味を見つける旅にでたんだろうと。

最終的に物件を手に入れることはできますが、このときもお金だけでは解決していなくて、ワニのルイスによる脅迫と、ナヴィーン王子の人脈が助けになっているような……。
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