しーかず

ウィンターズ・ボーンのしーかずのネタバレレビュー・内容・結末

ウィンターズ・ボーン(2010年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

森の中の集落で暮らす狭いコミュニティーや親族関係、その闇が深く描かれていて、暗く閉鎖的な雰囲気がかなりリアル。余計なBGMもなく暗く静かで良い意味で質素。田舎系のミステリーやサスペンス、スリラーが好きな人はハマると思う。父親失踪の謎や何か内輪が絡んだ闇に巻き込まれているのがじわじわと見えてくる展開であったり、主人公のリーが家や生活を守り抜くためには絶対に父を探す必要がある点は良かったけど、全部を明らかにしてくれないまま終わるので、良くも悪くも推測が必要な作品だった。最終的に父親の眠る場所を親族が知っていたことも不気味だし、結局父はボス主導でコミュニティーを守るために犠牲にさせられたのだと思うので、親族全員が共犯者なのではないかと思った。その中でも女性陣はリーに同情的な表情や対応をみせていて、男性陣はとにかく冷たく関わりを避けているのも主犯格のボスへの恐怖心や服従心、また自分たちを守りたいという狭い閉鎖的なコミュニティーの闇を感じた。叔父のディアー・ドロップの心情も謎が多いし余白のある気難しさはあったけど、全体的な雰囲気は好きだった。
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