まぴお

ウィンターズ・ボーンのまぴおのレビュー・感想・評価

ウィンターズ・ボーン(2010年製作の映画)
3.0
【物語の本質】

2010年のアカデミー賞4部門ノミネート作品。

名前の通り冬のような寒さと暗さと苦しみがヒリヒリと伝わってくる映画。
17歳の少女を通して村の閉鎖感の中ひたすら重い展開が続く。

海外での評価は高いのですが日本ではこの空気感は中々伝わらなかったようで評価的には
あまり良くない。何より想像力がかなり必要とされる映画なのだ。
語られる部分は多くない。そのピリピリとした空気感から村の掟や背景を補っていく形だ。
でもまあそれはこの物語の本質ではないんだよね。

固く冷たい村の掟を守りながらも自分の意思と家族を守るためにボコボコに殴られながらも
闘い続ける彼女の強さ。日本で17歳といったら勉強や人間感の悩みはあるもののこんな境遇に
立たされるのは中々ない。

そう。原作者の住んでいた地域が元ネタとなっているこの物語は自分が苦労のどん底にいる時でも、世の中にはしあわせな連中がたくさんいることを物語っている。

なぜ同じ人間でありながらここまで境遇に恵まれる人間と恵まれない人間ができるのだろうか?

ジェニファー・ローレンスの演技への凄みがただひたすら伝わってくるそんな作品でした。

622本目
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