うにたべたい

ウルトラマンA 大蟻超獣対ウルトラ兄弟のうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.4
ウルトラマンAで唯一の劇場版作品。
といっても、上映されたのはウルトラマンA放映中ではなく、終了からかなり時間が経った1989年4月です。
同時上映はウルトラマンのブローアップとウルトラマンキッズ、そしてウルトラマンUSAでした。
『ウルトラマン大会(フェスティバル)』という名称で劇場公開されたウルトラマン作品のうちの一作で、そのメインはウルトラマンUSAです。
この頃、ウルトラマンシリーズは休止中で、最後のウルトラマンである80終了から時間も経っていたので、"ウルトラマン"を思い出すために同時上映されたのかと思います。

内容はウルトラマンA 第5話『大蟻超獣対ウルトラ兄弟』のブローアップ版です。
ウルトラマンAは、地球侵略を企む異次元世界のヤプール人との戦いを縦軸に展開するウルトラマン作品で、北斗星司と南夕子の2人の若者が合体変身するなど、多くの新機軸が盛り込まれています。
また、ウルトラ兄弟という設定が本格的に登場した作品で、ウルトラの父もウルトラマンAから登場しました。
本作も、Aのピンチにさっそうとゾフィーが駆けつけ、超獣アリブンタとそれを操るギロン人を共闘して倒しています。
本編では南は降板し、途中から変身は北斗一人となりますが、やはりウルトラマンAといえば主題歌にもある北斗と南による変身ですね。
比較的序盤の本作では、ヤプール人の存在を語られ、北斗と南がウルトラタッチして変身する様子があり、ウルトラマンAらしさのある一作だと思います。

ただ、チョイスは正直微妙で、ヤプール人の存在は語られますが、そもそもヤプール人登場せず、ギロン人とヤプール人の関係性も不明で終わります。
ギロン人がアリブンタを操って人々を襲った理由も不明で、後の書籍等で、ギロン人はヤプール人の手先であることが説明されますが、初めて見る方向けには普通にヤプール人が怪獣をけしかけてる回をもってきた方がよかったんじゃないかなと思いました。
また、ウルトラマンAといえば、ギロチン王子と呼ばれるほど敵を切断するシーンが印象強いですが、本作はゾフィーと一緒に怪獣同士をぶつけて止めをさすという地味な倒し方で終わります。
個人的には、アリブンタも悪い回ではないのですが、チョイスするなら今も大人気のバキシムさんじゃないかなと思いました。
そもそも初代マンから80まで何百話とあるのに、なぜエースのアリブンタ回なのか、ダーツででも選んだのではないかと思うほど謎ですね。