普通に撮ったら絶対面白くないストーリーを映画的作為でどうやって見れるものにしていくかということに、最近は興味がある。話だけだとなんだこれ？というような作品だけど…これがほんとに良かった。唐突なミュージカルシーン（あの階段で、アトリエで、公園で…）の美しさに感動。ぼんやり見てる方が思わず声とか出そうになる。目眩で倒れる最初の場面も「おわ！？」って言いそうになったし、終盤ダンスホールで二人が散々踊ったあと別れる場面で「おー！」とか言いそうになった。流麗なカメラワークによって設定される「視点」が観客をぐいぐい引っ張っていく。撮影監督は『フォーエヴァー・モーツァルト』のクリストフ・ポロック。
