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パリでかくれんぼのsonozyのレビュー・感想・評価

パリでかくれんぼ(1995年製作の映画)
5.0
パリの夏を漂流する3人の若い女性が交錯するジャック・リヴェット監督作。これは大好きなやつでした。

ダンス大好きなニノン(ナタリー・リシャール)は常習的な泥棒で、スクーターやローラーブレードで配達するメッセンジャー。
事故により5年間の昏睡状態から目覚め病院を抜け出したルイーズ(マリアンヌ・ドニクール)は、裕福な父を持ち、亡くなった叔母の家を相続しているが、めまいに苦しみ、謎の若い男に尾行されている。
装飾芸術美術館の図書館の司書をしているアイダ(ロランス・コート)は、養子として育ち、実の母を知りたい思いを抱えた精神不安定さん。

この3人に絡むのは格納庫のようなスタジオを持つセット(美術)デザイナーのローランド(アンドレ・マルコン)。
さらに、ナイトクラブのオーナー・サラ(アンナ・カリーナ)と、クラブのマネージャーが運営する怪しげな秘密結社も絡み・・

ニノンのダンス、どんな色もお似合いのルイーズ、幼い頃の母の記憶を音楽で辿るアイダ。3人それぞれの魅力。
原題『Haut bas fragile / Up, Down, Fragile(高い、低い、壊れやすい)』は、上流階級なルイーズ、泥棒のニノン、アイデンティティに悩む不安定なアイダを現しているような、ストーリー全体の漂流感を感じるような。

非線形なストーリーと、突然始まる歌&ダンス、ルイーズの父の秘密、アイダの母探しなどが絡み合い、Enzo Enzo(歌手)やアンナ・カリーナさまの歌も楽しめる、作品全体が音楽のような?作品でした。最高。
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