矢野竜子

パリでかくれんぼの矢野竜子のレビュー・感想・評価

パリでかくれんぼ(1995年製作の映画)
4.5
私は表であり裏と終盤で
マリアンヌドニクールが語るように
現実と虚構の狭間での戯れ、遊び。
映画という概念を体現したかのような
ナタリーリシャールが素晴らしい。
冒頭から犯罪という
虚構を持ち込んだかと思えば、
次にはバイク便やダンスで
運動を積極的に持ち込む彼女。
観客含め様々な人を映画という虚構へと
グイグイ誘っていく。
突然始まるミュージカルが
本作の何よりの特徴だが、
クラブでの演奏にあわせたダンスシーンとは
微妙に運動の種類が異なるように思う。
そこにも現実(真実)と
虚構(映画)が見え隠れする。
これは役者として演技して踊っているのか、
あるいは単に自分自身として踊っているのか。
ただ鳴らされる音や歌われた音は
行為としての結果であり
いつだって事実=現実であるわけで。
花束とローラーブレードの掛け合わせは
発明すぎるし、
それよりなにより衣装が全員可愛すぎる。