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パリでかくれんぼのyouのレビュー・感想・評価

パリでかくれんぼ(1995年製作の映画)
4.1
ミュージカルシーン、最初は違和感すごいのに、なぜか観ているとめっちゃ魅入って美しくてたまらなくなる。なんていうか、動物の求愛のような純粋な美しさ。ずっと観ていられる、気がつくとずっと観ていたくなるミュージカルシーンだった。
入りは違和感だけれど、フェードアウトが穏やかで心地よく日常に溶けていくようで、そこも良さの一つだったのかもしれない。。

昨日改めて映画館で観て
セリーヌとジュリーは舟でゆく、
がやっぱり好きだと思ったけれど、
ちょっと待てよ、、
コレもたまらんすきだ、、
ちょっと待てよ、、
私多分ジャックリヴェットの作品が
好きなんだわ、、、と確信。

やっぱり出てくる女性達は美しくて
堂々と生きている感じがシーンごとに在って、
けれど一人一人の内にあるザワメキも
きちんと描かれていて、
それが交差するように物語になっているのが
ストーリーの筋として濃厚。
そして、彼女達の堂々たるスタイルの良さも含めて
映画館の大きなスクリーンで、
ドーンと映ることに意味がなされるというか、
その存在の大きさがよりくっきり観えてきて、
映画館で鑑賞するということが、
本当に良い作用であり、
本当で在った気がした。


音楽で成り立つ物語の一部も、
踊りで成り立つ物語の一部も、
会話で成り立つ物語の一部も、
パリで成り立つ物語の一部も、
全部が凝縮された物語の全て、
であった。
そして、そのどれもに
美、が無駄なく施されている。というね。

もう一度、映画館で観たいです。
すぐ、ではなく
またいつか、がいい。

とりあえず、3時間弱が
あっという間というよりは、
しっかりと観きって、終わったという感じで。。
始まりも終わりも、
もう一度映画館で観た頃にはきっと、
もっと何かに取り憑かれたように
(というかジャックリヴェットに取り憑かれたように?)
全部が鮮明かつ確信を持って観ることができる、
気がする。
だからさ、少し先に、もう一度
映画館で観るべきなんだよこれは、
と、終わった瞬間すでに心で誓っていた。


ずっと点線で物語が進み、
どこかで点線同士が交わり、
でも相変わらず終わりまでずっと点線で、
それでも何故か空中で理解できていて、
点の交わりを求めていて、
最後には気がつくと点線だったまっすぐな
線が弧を描いて一気に円になるような、
もしくは線だった点が一気に散らばって
ただの点となりそこら中に放たれるような、
リヴェットの作品にはそういう面白さと
曖昧さと、美しさと、好奇心がずっとある。
どれもある。
複雑さがシンプルで、
そんでもってカラフルで華やか。
最高の瞬間をいつも待ち侘びている。
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