このレビューはネタバレを含みます
やりたいことがあっても、踏み出すのは怖い。
成功のイメージを持つのは難しいもので、逆に失敗するであろう理由は次々と浮かぶ。
だがいざやってみると案外上手くいくことも。
ダメ元でも試しでもいいから、とにかくやってみることは意味がある。
だが人は度々、自分で壁を作り上げて立ち往生する。
ほかの夢見る若者たちの描き方も良い。
敗れてみて始めて居場所を見出す者。認められたい気持ちを利用され悪いやつに騙される者。
ダンスの歴史の1ページを垣間見た感じ。こういうダンスもあったんだと知れる。
話し方、ファッション、男女の関係、当時は良しとされていたものたち。
今の流行も数十年後には驚きの目で見られるのかもしれない。
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18歳のヒロインはダンスが大好き。自己流で、情熱のまま激しく身体を動かす。
ダンス学校に行きたくて、昼は溶接工、夜はショークラブで踊り、生活費も貯めた。
時は来た。これ以上歳を重ねれば道は閉ざされる。
しかしオーディションを受ける勇気がない。
一度覗いて見たが、ほかは恐らく幼少期からバレエを習ってきたであろう子たちばかり。待機中の立ち方、服装が既に違う。自分には何の経歴も受賞歴もない。
場違いに感じて、全速力で逃げ出した。
ダンスが好き、だけど挑戦が怖い。時間は迫る。
応援してくれる人。去っていく仲間。夢を叶えた人の話、諦めた人の話。
踊れば全能感を得る。しかし自分なんか存在価値がないと感じもする。
矛盾を抱え悩み苦しむ日々。
あるときずっと夢を応援してくれていた恩人が亡くなり、ついに受験の決心をする。
すると試験官たちはみんなにっこりノリノリになり、合格。
工場の社長も恋人に。