＠シネ・ヌーヴォ ～京マチ子追悼上映～　　　

本日のベストマチ子。これこそマチ子様じゃなきゃ撮れない映画。『羅生門』と同年公開ってどんだけ幅あるの…。

キャットファイトで同僚ダンサーと取っ組み合った後で、憧れの先生にまたしてもがっぷり四つの取っ組み合いを挑み、一度は追い返されたもののそのファイトっぷりがようやく認められ、女豹に変身する力を授けられたマチ子様はまさに無双。マチ子様は足がホントに長いから、むちむちしててもスタイルがとてもよい。あの振付はマチ子様以外がやったら笑てまうやつ(マチ子様でもちょっと笑てもうた)。話自体もうまくまとまっていて面白かった(急に雑になる感想)。

そして、劇中のマチ子様が煙草を吸う時に「火ぃ貸してよぉ…」って何回も言うてたからわたしも真似しようと思ったけど、今日のヌーヴォでわたし以外で煙草吸ってたのがじいさんだけやったし、そもそも心配性なわたしは常にライターを3つカバンに入れているのでむしろ貸す側の人間だと気付いた。マチ子様みたいな魅力的な女になれる日は遠い。

やっと浅草の肌を観る事が出来た。
柔肌、鮫肌、白肌、浅草の肌、、、（笑）
京マチ子浅草作品のうちこれが昭和２５年で最も早い。
踊り小屋のセットや、上野駅地上出口、付近の道端とかのロケの場所・撮影の角度も何故か「浅草紅団」と一緒の様な気がする。

マチ子様の役は浅草の踊子 若草クルミ。
可愛い名前に反して、螺旋階段からくわえタバコでガン飛ばしながら登場〜つかみ合いの大乱闘(スケバン的)

一番すごかったのは女豹のダンス
「踊りまくる若草クルミ」(と映画の中のポスターに書いてた)
ラフレシアの花の側で踊るマチ子様に釘付けになった。

台詞の言葉のセンスが独特で、脇役もよいキャラ続々で、クサい展開もふり切れていて面白かった。「浅草とも、これでお別れね…」→マチ子様のダンスで終わるのが最高だった。

あと、映画の中で、ラジオから浪曲が流れてきてマチ子様がうっとりと楽しそうな表情で聴き入る場面があって、浪曲全盛期ってほんとにあったんだなぁと何か嬉しかった。

(京マチ子映画祭)