すごい映画でした。
テーマはシリアスだけどふいに面白いシーンが現れる。
この映画でいちばんコメディーしてるのは牛小屋の牛。
実在のミュージシャンが普通に本人役で出てるわけですけど、なんかみんな自然で良いですね。
映像がすごく不思議で、まるで蜃気楼のように美しいのに、同時になぜかプライベートビデオ感(家族旅行で撮ってましたみたいな)があるこの画質は一体…?(困惑)
という感じなのですが、撮影の許可が降りなかったから小さいカメラでゲリラ撮影したそうです。
やけにぶつ切りで次のシーンいくよなとも思っていたのですが納得。
HPに使用されたカメラの製品名が載ってたので調べてみたらマジでハンドカメラに毛が生えましたみたいなやつでウケました。
あと当たり前のように良い、音楽が…
主人公2人のユニットの曲ももちろん良くて困惑なのですがペルシャ語でラップをバチギメかますHichkasが!めちゃくちゃカッコいい!
夢も希望もないとんでもない終わり方ですが、実際に主役を演じた2人は音楽のためにイランを去っているわけで、彼らはイランでは「誰も知らないペルシャ猫」のままなんですよね。
イランで誰もが好きな音楽を青空の下で(決して牛小屋や地下室や空き農地ではなく)演奏できる日はほど遠いよねというメッセージが伝わってきて良かったと思います。