パンケーキレンズ

ペルシャ猫を誰も知らないのパンケーキレンズのレビュー・感想・評価

ペルシャ猫を誰も知らない(2009年製作の映画)
4.0
扉をたたけ!
そして、叫べ!

西洋文化の規制が厳しいイランで、音楽活動をする若者を追ったセミ・ドキュメンタリー

国外への逃亡か
逮捕を覚悟しての音楽活動か・・・
自由を叫び、そして求める人たちの、魂の化身ともとれる音楽がどれも素晴らしい♪
とくに、ペルシャ語ラップには鳥肌だった

この映画自体、許可を取らずにゲリラ撮影されていて
出演しているアーティストは実在しています
バフマン・ゴバディ監督、そして主演の2人は、この映画撮影の後、国外に出て生活しており、監督にとってはイランでの最後の映画となりました

飼い犬を外に連れ出して警察に車を止められたエピソードがありましたが、タイトルの「ペルシャ猫」というのは、音楽が持つ力、魅力、特に建物の外から出ることはない、イラン国内に於けるそれを表しているのでしょうね

歌詞の上での「あなた」は「イラン」を意味して
「水」や「花」が「自由」であったりする・・・

自由を追い求める芸術活動
その作品はもちろん
行為そのものの力強さ
人生をかけたイランからの最後のメッセージ
そして「ペルシャ猫」の美しさに胸が熱くなる

アンダーグラウンドの叫びが行き場をなくす
その結末が衝撃的で辛かった・・・