アフガニスタンに派遣されたミハイル(ウルリク・トムセン)の戦死が家族に伝えられる。前科者で無職の弟ヤニック(ニコライ・リー・カース)が打ちひしがれたミハイルの妻サラ(コニー・ニールセン)を支え親密になるが、そこに捕虜となって生きていたミハイルが戻ってくる。しかし、過酷な体験がミハイルの人格を変えてしまっていた。
スサンネ・ビア監督が戦争に翻弄される人々を描いた感動作。
題材としては、古くは「我等の生涯の最良の年」から何度も語られているものだけど、登場する3人の心の微妙な動きを見事に描いていて、場面場面でそれぞれに感情移入してしまった。
壊れていくミハイルと再生していくヤニック、銀行の女子行員と通信兵の妻、ミハイルの腕に抱かれる通信兵と妻に抱かれるミハイル、多くの分かりやすい対比も心理描写に効いている。
一番のメッセージは戦争の惨さだ。
何百何千人もが殺し合っているけど、ミハイルの見たたった一つの死が彼の人生を変える。
後半は一人の命の重さを見せつけられた。
そして、三角関係がもう一つの見どころで、サラとヤニックの距離感が絶妙。
直接的な描写はないけど、2人がタバコを分け合う場面と、一人寝するサラの姿がやたらエロティックだった。
「ザ・バンク 堕ちた巨像」やドラマ「THE BLACKLIST/ブラックリスト」のウルリク・トムセンに、「特捜部Q」シリーズのニコライ・リー・カースという、やや華やかさの薄い組み合わせがストーリーにピッタリ合ってた。
さらに光ってたのが、「グラディエーター」「ワンダーウーマン」のコニー・ニールセン。こんなに綺麗で素晴らしい女優だったとは!