ノッチ

バットのノッチのレビュー・感想・評価

バット(1926年製作の映画)
3.0
銀行から20万ドルの大金が盗まれる。

急逝した銀行の頭取フレミングが所有する古い豪邸には裕福な未亡人とその姪、女中と執事が住んでいる。

盗まれた大金がフレミング邸のどこかに隠されているという噂を聞きつけて、刑事、探偵など次々と一癖ある人々が集まってくる。

そして、屋敷の窓の外には中の様子をうかがう“バット”の影が・・・。

古い豪邸を舞台に、コウモリの姿をした強盗殺人鬼《バット》の存在に怯える人々を描いた怪奇ミステリー。

長い間紛失したと思われていた幻の作品。

沈黙の時代の偉大なホラーの古典の1つ。

この1926年の映画は、「不気味な家」というジャンルの最初の映画の1つです。

映画の大部分は、古い屋敷で展開されます。

この映画は、殺人、ミステリー、コメディー、サスペンス、そしてサプライズエンディングと、いろんな要素が入っている。

ドイツの表現主義運動から影響を引き出して、カメラアングルと影で試行錯誤してゴシック様式の雰囲気を作り出しています。

サイレント映画とは思えない躍動感溢れるビジュアル・スタイルが素晴らしい。

また、字幕のセリフを漫画の吹き出しのように画面中に埋め込むことによって、トーキー的な効果を生むことに成功した監督のユニークな演出など見所が多い。

ただし、意外と怖いシーンとかは少ないです。

とはいえ、米国怪奇映画のパイオニア、ローランド・ウェストの才能が遺憾なく発揮された傑作。

ちなみに、この作品を見たボブ・ケインが影響されて生まれたのが、コミック『バットマン』だと言われているのは有名な話。

コウモリのシルエットが壁に投影される象徴的なシーンもあって、ボブ・ケインがそのままパクっていることが良く分かる。
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