まつむらはるか

2001年宇宙の旅 新世紀特別版のまつむらはるかのレビュー・感想・評価

4.8
難解だ難解だと伝え聞き『いつか観ようリスト』に長らく眠らせていたことを恥じたい!


思ったよりも分かりやすかったというのが感想。シンメトリーの美、音と色彩の効果など、説明的でなく、黙して語る表現と宇宙の神秘が痺れるほどに美しい。コンピューターの表現やCGも、古めかしく感じはしてもチープでなく、シンプルな美しささえ感じる(3DCGで宇宙船のワイヤーフレームがモニターに映るシーンがあるのだが、当時そんなCG技術はなく、本物のワイヤーを使っていたと知って驚愕した)

何よりもHALに心を惹かれてしまって仕方がない。
完全無欠の人工知能であり「人類の発展に貢献する最強の武器」でありながら「人類滅亡の引き金」である。あの抑揚のない声で、親しみやすくも恐ろしくも儚くも感じられる彼に、登場人物の誰よりも感情移入してしまった。