秋日和

天使の接吻の秋日和のレビュー・感想・評価

天使の接吻(1988年製作の映画)
4.0
リモザンは『TOKYO EYES』という「眼を見よ」と言わんばかりの映画を撮った人なのだけど、本作もまた同様に「眼」に意識が向いてしまう映画だった。ジュリー・デルピーが流した涙をどのように演出したか、そしてその後涙をどのように処理したか……というところに注目してみると面白いかもしれない。
また、ジュリー・デルピーの弟は彼女の濡れた眼を優しく拭ってあげるが、心無いボクサーは彼女の眼を手荒に扱う……といったような些細な部分が積み重なり、映画そのものが愛おしくなってくる。

全編を通して死の匂いが画面にこびりついており、それが危険な魅力として観客側に伝わってくる。ジュリー・デルピーが恐らく最も可憐であった頃の姿を見ることの出来る美しい映画。
秋日和

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