イチロヲ

砂漠の鷹のイチロヲのレビュー・感想・評価

砂漠の鷹(1950年製作の映画)
3.5
貧民を助けるために略奪行為を働いている義賊の青年が、王宮の政略により捨て駒にされた王女を救出しようとする。「砂漠の鷹」と呼ばれる義賊の活躍ぶりを描いている、アラブが舞台のアクション・アドベンチャー映画。

大衆の支持を得ている義賊が、八面六臂の活躍を見せていく物語。主人公中心のヒロイズムばかりではなく、コメディ・リリーフ専門のメンバーによる箸休め的な展開も用意されているので、心地よい緩急を楽しむことができる。

王宮のプロパガンダにより絶対悪の立場にされた主人公、ナンダカンダあって奴隷の立場へと堕ちた王女。このふたりの立ち位置が、リンクする瞬間の高揚感が絶品。すぐにメロメロになるのではなく、愛憎をもとにした衝突劇を挟んでいくところも素晴らしい。

鞭打ちの刑で無惨な姿にされた侍女を画面に登場させるため、いやが上にも悪党憎しの心理が煽られる。崖っぷちギリギリに立たされてからの逆転劇が気持ち良く、クライマックスの大乱戦にエキサイトすることができる。
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