テヘランの領主ムラド(ジョージ・マクレディ)は、庶民に対して悪政の限りをつくす暴君で、バグダッドの太守の娘シェラザード(イヴォンヌ・デ・カーロ)と婚約中の間柄であった。シエラザードは婚礼の行列をテヘランに向ける途中、ムラドの出迎えを受け、その美男子ぶりに心を奪われて直ちに結婚式を挙げたが、この男こそ、本名は鍛冶屋のオーマー、悪領主ムラドを向こうにまわして戦う、庶民の英雄《砂漠の鷹》(リチャード・グリーン)なのであった。
彼は新婚の一夜が開けたとき、いち早く逃亡してしまった。シェラザードはこの屈辱に怒り、遅ればせに現われた本物のムラドに、もし《砂漠の鷹》を捕らえなければ彼を失脚させると厳命した。ムラドは暗殺業者カイバーに、シエラザードを殺して犯人を《砂漠の鷹》に見せかけるよう命じた。しかしカイバーは彼女を殺すより捕らえる方が有利と悟った。
侍女に変装していたシエラザードは、アイバーの邸に捕らえられて、鍛冶屋のオーマーに巡り合った。砂漠の鷹は今度は貴族の変装で現われ、侍女姿のシエラザードを買い取った。2人は彼のオアシスに馬を進めるが、途中で、姫は彼を砂漠の中に残してひとりオアシスに向かっていってしまった。
やっとオーマーがオアシスに着いたとき、姫は身分がばれてカイバーの邸に連れ去られていた。かくてオーマーは部下を糾合、カイバーの邸に乗り込んで姫を救ったところへ、姫の父太守とムラドが現われた。ムラドは罪の露見を恐れてカイバーを殺すが、自らもオーマーの剣に倒れた。《砂漠の鷹》オーマーは新たにテヘランの領主に任ぜられ、晴れてシエラザードをその腕に迎えた。
…と、粗筋だけを読めば面白そうだし、事実つまらなくはないのだが、なぜだろう、特別面白くは感じない。多分、王女に魅力がないし、鷹も特別カリスマ性がある訳でもないせいだろう。
観て損はしないが得もしない、そんな作品だ。