きゅうげん

キャットウーマンのきゅうげんのレビュー・感想・評価

キャットウーマン(2004年製作の映画)
2.8
🐈‍⬛ハッピー・ハロウィン!
今年の映画は『キャットウーマン』。

ノリノリミュージックでノリノリドラマにノリノリアクション……という時代感を反映した2000年代らしいアメコミ作品ですが、とはいえしかし軽佻浮薄すぎる。
シークエンスの連結作業がお粗末すぎるマクロ的な問題と、軽薄かつ空虚で阿呆な会話劇というミクロ的な問題まで、とにかく救いようのないダメ脚本。案の定オリジンストーリーも冗長だし。
それに加えて「違う日なのに同じ服」とか「同じ瞬間なのに違う服」とか、目に見える映像的な面でも目に余る職務怠慢がつづき、とにかく何もかもが杜撰。
マクガフィンとなる化粧品についても、シャロン・ストーンは顔面崩壊した一方で同僚ちゃんは気にもしない内に寛解と、副作用の矛盾した顛末には設定の詰めの甘さが垣間見え、やっぱり締まらない……。

個人的に良かったのは“『世界ネコ歩き』裏文化史OP”とその後の『サンセット大通り』オマージュくらいかなぁ……。


ところで2000年代のDC映画といえばノーラン版バットマンが最大手ですが、これ実はもともとダーレン・アロノフスキー監督の『バットマン:イヤーワン』映像化プロジェクトから端を発した企画でした。
このハル・ベリー版キャットウーマンも、そんな幻のアロノフスキー版バットマンの副産物だったとか。単独作品として企画が独立した一方で、一時期は『バットマン ビギンズ』との吸収合併も考えられていたらしく。
……このキャットウーマンが登場してたら、ノーラン版三部作は180°変わっていたでしょうね〜。