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虹をつかむ男 南国奮斗篇のSankawa7のレビュー・感想・評価

虹をつかむ男 南国奮斗篇(1997年製作の映画)
3.6
ストーリー的には前作とつながりがある点で続編であるが、主人公吉岡秀隆こと亮の家族設定が大きく変更、若大将シリーズのようなパラレルワールド型の続編の作り方

前作は寅さん幻の49作目のキャストシフトだったため、両親も前田吟と倍賞千恵子のままだったが、今回は笹野高史と角替和枝に、妹は星野真理に、家柄も和風の家屋で下町の工務店の家族の設定に変更

倍賞千恵子はゲスト的にマドンナ小泉今日子のおば役で出演もこれには賛否両論あるようだ

西田敏行の活男設定は変わらず、映画館オデオン座を諦め、移動映画館を各地で転々とする設定に。なんと相棒が小籔千豊でびっくりした❗

寅さんの後継作品と見ていた方はこの設定変更に違和感を覚えたし、逆に新しいものへの転換を求めた人たちは歓迎したようだ

変わらなかった点はダブルマドンナ制、活男のマドンナは松坂慶子、オデオン座で一緒に働いていた設定で現在は嫁いで島に暮らす
亮のマドンナは小泉今日子、結婚して島を出たものシングルマザーとして帰郷、そこで涼が恋をする
そしてエンディングのお決まりパターンは寅さんシリーズとあいも変わらず

大きく変わった点は、マドンナたちの描き方。2人ともワンピースに生足、仕草が艶っぽく奔放なキャラクター。寅さんシリーズではほとんど描かれることがなかったラブシーンやキスシーンをどストライクで映している。これには驚いたとともに、刺激的でもあったが、結論面白かったと思う。マドンナも一人の女なんだ、そしてマドンナも母親なんだという点が明確に描かれていた。女性としての2人のマドンナには色んな面で圧倒された😲💦
さすがの松坂慶子と小泉今日子だった❗

そして吉岡秀隆のキャラ設定は満男を大きく脱却し、ナレーションは北の国から風、性格も大胆に女性にアタックできるようなキャラになっていた

今回のオマージュ映画は「雪国」と「風の谷のナウシカ」、特別篇が現実には同時上映されたが、映画の中の「寅次郎ハイビスカス🌺の花」は、映写機トラブルで上映されず、😭

歌手でもある西田敏行が素晴らしい美声を披露している。特に「バナナボート」歌唱シーンは圧巻、それに小泉今日子が加わる所は至高のエンターテイメント❗
これも寅さんシリーズでは難しかっただろう

賛否両論、駄作とすら言われつつ、今でも続編を望む声があるほど強いファン層もいるユニークな映画だ、私もそのファンになった。
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