とうじ

暗黒の恐怖のとうじのレビュー・感想・評価

暗黒の恐怖(1950年製作の映画)
4.5
うますぎ。
緊迫しすぎて永遠のように感じられる48時間が無事収束したあと、日常がまた戻ってくる描写の中で、「あ、今までのあれはたった2日間の出来事だったんだ」と観客に思わせるあの一つの演出のうまさだけでこの映画は見る価値がある。
警察から逃げるために憔悴している病人を布団ごと放り投げる(病人はそれによって死亡)という容赦ない演出も楽しいし、エピデミックを止めるために奮闘する人々の物語であるだけで、コロナが脳裏によぎり、胸が熱くなる。
強いていうならば、保健所で働く主人公と、手荒な警部のバディムービー的に話が進んでいく割には、そこまで両者の間で化学反応が感じられないというのはあるのだが、別に「ブルースブラザーズ」を見ているわけじゃないので、そんなのどうだっていいのである。
とりあえず、うまいし、シンプルだし、わかりやすいし、ハラハラさせられる。それさえ揃えば、映画として満足せずにはいられない。
とうじ

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