いかえもん

ラスト、コーションのいかえもんのネタバレレビュー・内容・結末

ラスト、コーション(2007年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ゼムクリップのようにと説明されたという過激なベッドシーン。一体どんな映画なのかこわごわ見たんですが、なるほど、ゼムクリップ…ですな。

でも、見どころはそこではないです。トニーレオンの誰も信用しない緊張を身にまとった厳しい表情と、チアチーにだんだん心を開いていってしまうその演技が見事!最後の宝石店での笑顔はかっこよすぎて、またもや私をテレビの前でのけぞらせました。

で、観終わってから、チアチーはトニー演じるイーを単純に愛してしまったのか?だから逃げて…なのか?ということを考えてたんです。
最初はそうだろうと思っていたんですが、今はもしかすると違うかも?とか思うのです。
チアチーってもともと根がすごくまじめな人なので、最初は正義のためにだますつもりで「悪者イー」近づいた。ところがイーがだんだん自分を見せるにつれて、彼の弱い部分を知り、自分に本気になっている彼の思いを知り、そんな「普通のかわいい男性イー」を騙している自分を知り、その罪悪感に負けて「逃げて…」と言ったという解釈もできるのでは?それは愛?罪悪感?それともそれこそが愛?
それこそが愛だとすると、大学の先輩に憧れを抱き、カップにべっとり口紅跡を残す少女だったチアチーは、本当の愛を知って大人の女性になったということなのかなぁとぼんやり考えています。愛の定義は主観なので難しい。ラストの彼女のすがすがしい笑顔と風車が印象的。トニーの逃げ足の速さも(笑)。