ポンコツ娘萌え萌え同盟

緋牡丹盗賊のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

緋牡丹盗賊(1950年製作の映画)
2.7
徳川綱吉の生類憐みの令が敷かれ”人間の命より、犬のご機嫌の方が大事なご時世”に現れた緋牡丹盗賊。
悪法により捕らえられた囚人を奪い取る快盗みたいな立ち位置だが、本作で展開されるのはその痛快そうな姿を見せるより島破りで逃れた男の手紙を巡る内容。
緋牡丹盗賊を演じるのは我らが剣聖・アラカン。ただ今回のメイン武器は銃。小刀とかは振るうけど殺陣の印象が薄い。もっとアラカンの殺陣を見せて欲しかったので残念。
緋牡丹'盗賊'という割には盗賊といった要素・感覚が薄いキャラクター像。精々御用人に追われるくらい。別に盗賊っぽいアクションを多く見せる訳でもない。強いて上げるなら途中のロープアクションでスライダーとターザンしたくらい。

シナリオは自体は単純明快。
娯楽映画の王道の財宝に、出生の秘密に。
ただフィルム状態が不完全なのか、はたまた最初からないのか突然ぶつ切りで暗転するカットが所々があったのが疑問に思うところ。
他にも突然終盤で重要そうな部分をダイジェスト風で内容端折った場面があったりして不親切な作品ではある。
何より最初にダイジェストみたいに描かれた生類憐みの令の世俗背景がほぼ一要素でしかない。もっと上手く絡めること出来なかったのだろうか。
正直、一部の描写変えれば生類憐みの令でない世俗背景でも成り立つことは出来る物語ではないだろうか。
何より強烈なインパクト残したのがヒロインのお柳さんでも、序盤のレズっ気あるお京さんでもなく、脅して迫ったり睡眠レイプ未遂起こしたりエロガキの数馬という変な作品。