多額の遺産をもらった自閉症の兄と、事業の失敗から金を欲している弟のロードムービーだが、考えさせることも多々あり、これからも見返す作品だと感じた。
特にダスティン・ホフマンの演技には脱帽した。普段の言動からパニックをおこした際の演技まで幅広く、細かく動いており、いかにレイモンドという役と向き合ってきたかわかる。
また、前半のレイモンドに振り回されるチャーリーの悪戦苦闘劇から、後半のチャーリーやスザンナとのダンスシーンなどしっとりと落ち着いたムードとのメリハリがあってより作品に没入できた。
ラストのシーンは、まさしくこの旅の集大成ともいえるものであり、二人は本当の意味での兄弟になった。