サヴァン症候群を取り扱った作品だが、医者や看護婦ですら症状に詳しくないといった描写があり、1988年当初のサヴァン症候群に対する知識が世間に広まっていないことに驚いた。
サヴァン症候群の兄であるレイモンドとの生活で苦労が絶えなかった弟のチャーリーが、次第に兄弟が離ればなれになった原因を知っていくシーンは、台詞やモノローグで多くを語らない見事な脚本だった。
ただ、人間に心の余裕ができるのは裕福な時だけということも思い知らされ、心温まる映画とは言い難い。
アステアとロジャース主演の『踊らん哉』がテレビで流れ、レイモンドが夢中になって見ているシーンにはホッコリとさせられた。