花とみつばち

帰らざる夜明けの花とみつばちのレビュー・感想・評価

帰らざる夜明け(1971年製作の映画)
4.0
冒頭から流れる哀愁あるフィリップ・サルドの美しい曲。
’30年代のフランスの片田舎。そこに流れ着いたジャン( アラン・ドロン )は、中年の孤独な未亡人女性( シモーヌ・シニョレ )の所で世話になる事に… 。
狭い田舎で噂で冷たい視線を受ける二人。それにジャンは過去に犯罪を犯していた。
そこに未亡人とは対照的な女性( オッタヴィア・ピッコロ )がジャンの気持ち、いや身体を奪い取り未亡人を悩ませる。
悲しい曲と重なる寂しい田園風景。そこの河を流れる運河。跳ね橋を挟む冷たい親戚。
シモーヌ・シニョレとオッタヴィア・ピッコロ、本当に個性が違う女優達がこのドラマに凄くはまっている。( 私は美しかった頃のシモーヌ・シニョレのファンだったのでこの作品の彼女に違和感無しなんですが… )眉間に皺を寄せるドロンが相変わらず素敵。

監督は「 離愁 」のピエール・グラニエ=ドフェール。少し「 離愁 」を思わせる冷たく儚い内容と曲。
肌寒い季節に観たくなる名作。
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