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サン・ソレイユのsonozyのレビュー・感想・評価

サン・ソレイユ(1982年製作の映画)
3.5
『ラ・ジュテ』のクリス・マイケル作。
世界を旅するカメラマン(架空)から届いた手紙を朗読する女性の声に合わせ、
アイスランド、北海道、ギニア、東京、ヒッチコック「めまい」の舞台サンフランシスコ、沖縄、成田空港反対運動...と、様々な映像がモンタージュされていく。
フィクションとドキュメンタリー、歴史/記録と記憶が融合したような不思議な読後感の作品です。

阿波踊り、高速バス、手相占い、マンガの立ち読み、新宿のバー、お好み焼き屋、テレビCM、ホラー、時代劇、西遊記の夏目雅子、選挙のだるま、エロ深夜番組「11PM」、AV、秘宝館、渋谷ハチ公、アルタビジョン、竹の子族、カメラはヨドバシカメラ♪、上野動物園のパンダの死、改札の切符回収、電車で寝る人々、テーブルゲーム(パックマン他)、銀座ソニービルにあった音の鳴る階段、秋葉原のパーツ屋、ドヤ街の人々、どんど焼き、初詣、成人式の着物の女性たち・・・etc
クリス・マイケルの視点で、当時(1981年前後)の日本の様子が見れるのが楽しい。

中でも笑ったのが、もぐらたたきゲームなんですが、社長・専務・部長..と書かれた穴から現れるオッサン人形を叩くタイプのもので、男が思いっきり叩いてました。笑(“にっくき上役達をぶちかませ!!"「SCATTAR(スカッター)」という機種)
デパートに設置されてた動く蝋人形的なやつも当時にしてはかなりリアルっぽかった。

シンセサウンド的な音楽と、時おり挿入されるビデオ・アート的に加工された映像も印象的。
(このスペシャルエフェクトを担当したのがHayao Yamaneko(山猫駿雄)となっていますが、実は架空らしく、クリス・マイケルが担当しているようです)

ベルリン国際映画祭 OCIC特別賞受賞。
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