このレビューはネタバレを含みます
アルメニアの神秘思想家グルジエフが高邁な精神でもって古代メソポタミアの密教集団サムルングを見つけるお話。アフガニスタンで撮影されたそうで。
いや英語喋るんかい、と思ってたら中身もハリウッドみたいなカメラワークと台詞回しのペラペラの構成で唖然としました。予定調和にもほどがないか。
エスノセントリズムが見え隠れする舐めきったオリエンタリズムの表象。サムルングの描写はその極北で、寄せ集めみたいなダサい振り付け。そもそも舞台上みたいな動きの時点でおかしいだろ。
余りにも御大層に無垢な少年グルジエフに、ヒゲしか雰囲気出てない青年グルジエフ。グルジエフが舞踏家でもあったことを盛り込むだけの唐突なダンス。
恐ろしいほど浅薄な描写の連発で、宗教も思想も科学も無自覚に侮辱するそのさまは、まさにどこぞの宗教団体の勧誘ビデオそのものといえる映画でした。