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八つ墓村のcamusonのレビュー・感想・評価

八つ墓村(1977年製作の映画)
3.7
公開時は小学校低学年でしたので、劇場では見ていませんが、
「たーたりじゃー」は、小学生の間でもやたら流行りました。
テレビ放映を部分的かもしれませんが2回は見ています。
また、5年ほど前に1回通して鑑賞してます。
何回も見ているのですが、印象に残っているのは
例の懐中電灯2つを頭に括り付けた大量殺人鬼と、
化け物化した犯人に主人公が追っかけられるところくらいで、
話の内容はあまり覚えていませんでした。

さて、久しぶりに鑑賞して感じたのは、
ロケーションへのこだわりです。
入念にロケ地を選んで、日本の原風景と言える山村の景色を
ゆったりと映像に落とし込んでいるのが見て取れます。
市川崑監督のシリーズと比べて外連味が少ないですが、
スケールを感じさせるなかなかの力作です。

ストーリーの方は、盛りだくさん過ぎて、
一度見ただけでは整理がつきにくい感じです。
村に伝わる祟りを利用した殺人事件と思わせて、
その裏をかいてオカルトに仕立て上げたところは、
考えてみるとかなり面白いのですが、
なかなか伝わりづらい気がします。

山崎努がやらかす殺人シーンは鮮烈なのですが、
進行する殺人との関連が薄く、浮いてしまっているというか、
最後オカルトとして繋がってくるのですが、
それだけではどこかおさまりが悪く感じます。

鍾乳洞から蝙蝠が大量に飛び出して、
屋敷が炎に包まれる流れはイイと思ったのですが、
落ち武者達がちょっと安っぽい感じがしなくもないです。

本作は原作からかなり改変されているようなので、
原作ではどうなっているか興味が出てきました。
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