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八つ墓村のぉゅのレビュー・感想・評価

八つ墓村(1977年製作の映画)
3.9
2023年 鑑賞 23-195-35
BS松竹東急 銀座よる8シネマ にて
横溝正史先生の同名小説を原作に、「砂の器」「震える舌」等の野村芳太郎監督による、松竹版金田一耕助シリーズの作品。平家の落ち武者8人が惨殺されたという「八つ墓村」。数百年の時を経て、そこでは32人もの男女が殺されるという凄惨な事件も起きており、さらに時は経ち、再び村で連続殺人が巻き起こる。事件の謎を解くため金田一耕助(渥美清さん)が村を訪れるミステリー作品。

ー 祟りの怪奇性が強い松竹版金田一耕助シリーズ ー
空港の航空機誘導員をしている寺田辰弥(萩原健一さん/吉岡秀隆さん[少年期])と尋ね人、背中の火傷の跡と母方の祖父井川丑松(加藤嘉さん)となるも... 、辰弥の父方の親戚森美也子(小川真由美さん)の案内と多治見家と辰弥の出生の真実... 、西家と東家、美也子の幼少期の夏休みに思ったことと峠から見た村の景色と将来この村に一生住みつく気がする、この村は町村合併前までは八つ墓村、「祟りじゃ... 」と「今度は八人じゃあ... 」、双子の老婆の多治見小竹
(市原悦子さん)&小梅(山口仁奈子さん) 怖っ!気持ち悪っ!(いい意味で)めっちゃインパクトある!、離れと奇妙な掛け軸、「龍の顎(あぎと)」は鍾乳洞?、辰弥の回想の夢、「人殺しっ」「八つ墓明神の怒りじゃ」と八つ墓村の伝説、金田一耕助登場「宜しかったら一緒に話聞かせてもらえませんか?」、八人の落ち武者と夏祭りと酒の中に毒を... 、稲光と「己 卑怯な... 祟って祟って... 」、自分で自分の首をと八つの死体と雷、金田一と村の小学校の校長の工藤(下條正巳さん)は(「男はつらいよ」ファンの私にとっては)まるで寅さんとおいちゃん、辰弥と辰弥の義理の兄で 多治見家当主の顔色の悪い多治見久弥(山﨑努さん)、咳込みと久弥が... 、久弥の死に不審な点がと解剖、辰弥が鍾乳洞で見つけた父多治見要蔵(山﨑努さん[二役])の死体と要蔵が起こした28年前の32惨殺事件と要蔵の失踪(「八つ墓村」といえばあの蝋燭2本を頭に巻いた イメージ)、辰弥の母の失踪がトリガー、辰弥の父は要蔵じゃない?、工藤に話を聞きに来た辰弥&美也子、背中の火傷はそういう過去が!、初七日と工藤が... 、「祟りじゃ」の老婆 濃茶の尼(任田順好さん)も... 、鎧武者に誘拐されたらしい双子の妹小梅婆も... 、小梅婆は毒殺でなく絞殺された、村唯一の診療所の医師で要蔵の甥の久野恒三郎(藤岡琢也さん)も鍾乳洞で... 、「龍の顎(あぎと)」とは?と...

「みなさん 事件は間も無く解決するけん 誰も中に入っちゃいけんぞ 洞窟へは今後一切誰も入ってはいけません」、春代の声と小指の怪我... 、多治見家の秘密と財産(大金)は人を狂わせる またそれを守る側も... 、おそらく●●●さんが狂った側の人間では... 凄く違和感あったもの、やはりそうだった!「春代さんが言ったのね」、白塗りの顔や目アップのシーンはミステリー色よりも怪奇色が強い!鍾乳洞の暗さやコウモリの大群の動きとかそれを表しているようだ、白顔の老婆と仏壇と火... 八人の落ち武者... まさに恐ろし... 、大火で多治見家の秘密も人間を狂わせるものも消失したような終わり方。そこが金田一耕助シリーズでありながら、金田一耕助が主役ではなく、寺田辰弥が主役の作品である所以なのかもしれない。

横溝先生の作品は血筋の恐怖やお金に目が眩んだ人間が狂っていく恐怖を上手に描いている作家さんだ。今回は祟りに見せたミステリーではなく、祟りを描いた怪奇作品っぽく製作された作品ではあったので、金田一耕助シリーズとしては異色な松竹版の「八つ墓村」だった。やっぱり市川監督の方が好みだが、渥美金田一も好き!寅さん好きの依怙贔屓ではなく、今まで好きだった石坂金田一や古谷金田一にはなかった人情部分が強調された金田一(寅さんもそうなんだけども)だった。頭がキレる石坂金田一と(いい意味で)汚そうで色気のある古谷金田一と人情派の渥美金田一を合体させて、いいとこだけを集めたら、私がイメージしていた金田一耕助像に近づくのではと思った!が、ただ腑に落ちないのが、和服&下駄&あの帽子じゃなかったのがなぁ...

余談:長くなると思い名前は出していないが、井川比佐志さん、大滝秀治さん、下條アトムさん、綿引洪さん、田中邦衛さん、夏八木勲さんらの出演も私が上がったポイントでもあります!ありがとうございました!

「祟りじゃ... 祟りなんじゃ... 」

「都会も田舎も変わらなくなったって言うけどそうじゃないわ しきたりとか習慣とか 色々とね... 」

「己 卑怯な... 祟って祟って... 」「祟れるものなら 祟ってみろ!」

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