ギズモX

ゴジラ対ヘドラのギズモXのレビュー・感想・評価

ゴジラ対ヘドラ(1971年製作の映画)
5.0
公害をテーマにしたゴジラ映画最大の異色作。

"海の汚染が進む駿河湾に、地球の環境破壊が原因で変異した鉱物生命体の怪獣ヘドラが姿を現す。
有害物質を撒き散らしながら地上に上陸したその時、海を汚されたことにブチ切れたゴジラも襲来。
人類のエゴが生み出した二大怪獣の激闘が始まった"

この映画を最初に知ったのは中学生の教科書で、興味半分で鑑賞してみたら、勉強要素のあるコミカルな子供向け作品でありながらも、子供が見たら確実にトラウマになるサイケデリック演出が満載で、そのアンバランスさにびっくりした思い出があります。

怪獣映画の中で二番目に好きな作品。
最初は後半のテンポの悪さに退屈してたけど、大人になってからはその良さが分かるようになった。
特撮作品の中でも特に社会問題に切り込んだテーマ性の強いシナリオと、当時のカウンターカルチャーを反映した陰鬱な雰囲気。
大きな問題に太刀打ちできない大人達の無力さも合わさって独特な世界観を醸し出している。
そしてヘドラの強さ。
ゴジラを満身創痍にさせるだけでなく、撒き散らした有毒ガスであらゆる生き物が白骨化する容赦ないグロテスク描写が本当に強烈。
ラストでゴジラが怒りのままにヘドラをグチャグチャにし、自分達を生み出した人類を無言で睨みつけるところが一番のオススメシーン。
特撮だけでなくアニメなども盛り込まれてあり、様々な演出に挑戦してみようという製作者の意志が感じられる前衛的な傑作だ。

【ゴジラがみたらおこらないかな】
【おこるだろうな】
ギズモX

ギズモX